当記事は、「英文会計実務講座」の6回目で、【英文会計実務講座】<第5回>小口現金の管理のしかたと銀行口座について学びましょうの続きとなります。
「英文会計実務講座」がお役に立つ方
- 「英文会計入門講座」で学習していただいた方
- USCPA(米国公認会計士)の前段階で英文会計の学習を始めたばかりの方
- ACCA(英国勅許公認会計士)の学習をしている方・しようと考えている方
- 仕事などで、英語で会計を理解する必要がある方
- 英語が得意で、会計の知識を身につけてキャリアアップしたい方
- 英文会計の実務が知りたい方
英文会計の基礎については、「英文会計入門講座」でご説明しています。
まだ「英文会計入門講座」で学習していただいていない場合は、【英文会計入門講座】<第1回>基本的な会計用語を英語で覚えていきましょうから始めてください。
1.コンピュータシステムを使った会計処理
現在は、多くの会社で1人1台のコンピュータが与えられ、ほとんどの文書はコンピュータを使って作成されています。
また、社内の連絡や社外とのやり取りなどもインターネットを通して行っています。
会計(Accounting)の作業も、そろばんや電卓、紙の上での手計算や手作業の転記(Posting)がメインだった時代もありましたが、今では何らかの形でコンピュータが使われています。
経理作業は数字が中心で、複式簿記をベースとした一定の法則に従ったものであるため、コンピュータシステムとして一元化しやすく、さまざまな会計システムが開発されています。
システムを使う作業は、人の手で行う作業に比べ、正確で迅速、修正が容易、データを色々な形に変えて利用することができるため、多くのメリットがあります。
会計システムへの入力作業そのものは、決して難しいものではありません。
借方(Debit)と貸方(Credit)がバランスしていれば(右と左に同額が入力されていれば)、システムはそのまま受け入れてくれます。
しかし、会計の基礎や簿記の仕組みを理解していないと、システムの仕組みを理解するのに時間がかかったり、間違って入力しても間違っていることが分からないという状況になりかねません。
会計システムとはどんなものであるかといった程度は理解し、会計や簿記の基礎をしっかり身につけておけば、どの会社のどんなシステムに対しても、その仕組みや使い方を容易に理解し、実務で即戦力として活躍できることになります。
- 会計システムへの入力は難しいものではない。
- 会計や簿記の基礎を理解していれば、会計システムも容易に取り扱える。
2.会計システムの種類
会計システムは、さまざまな種類があります。
(1)中小企業向けの会計システム
中小企業向けの凡庸的な会計システムとしては、勘定奉行、弥生会計、PCA会計などが有名です。
これらは比較的廉価で、入力やメンテナンスが容易であり、会社の通常の報告(Reporting)作成のための経理処理に加えて、税務申告関係などの付随データ作成などの便利な機能が含まれています。
(2)大企業やグローバル企業向けの会計システム
大企業やグローバル企業では、基幹システムをベースに、人事部(Human Resources:HR)や物流(Logistics)、その他の部門とも連携しているERP(Enterprise Resource Planning:統合基幹業務システム)を導入している場合が多いです。
たとえば、SAP、Oracle、Microsoftなどが有名です。
(3)連結決算を行う企業向けの会計システム
連結(Consolidation)決算でも、会計システムが使われることが多いです。
連結会計システムで有名なのは、STRAVIS、Diva、eCA-DRIVERです。
連結(Consolidation)のための子会社(Subsidiary)から親会社(Parent Company)への報告(Reporting)も会計システムが使用されます。
一定の要件を満たす子会社(Subsidiary)は、親会社(Parent Company)の連結決算(Consolidation)の対象となります。
よって、子会社(Subsidiary)は、親会社(Parent Company)で採用されているのと同じ経理処理や親会社(Parent Company)からの指示に従った処理を行うこととなります。
規模の大きな外国企業の日本の子会社(Subsidiary)、いわゆる外資系企業については、日本の子会社(Subsidiary)のシステムと外国の親会社(Parent Company)のシステムが連携されていることが多いです。
日次の作業は日本の子会社(Subsidiary)で行い、月次、四半期、年次で外国の親会社(Parent Company)に、日本での情報をシステムで報告(Reporting)するという形式です。
システムによる報告(Reporting)は、親会社(Parent Company)でデータ加工しやすい、転送に時間がかからないなどのメリットがあります。
3.会計システムの仕組み
会計システムの仕組みについても、ざっくりと理解しておきましょう。
(1)支払い関連
多くの会社では、ファームバンキングが導入されており、会社に居ながらにして銀行口座を通しての支払いや残高確認ができるようになっています。
これらの銀行関連のデータは、インターフェースで会計システムと連動しています。
銀行関係のシステムに入力すれば、会計システムで再入力しなくても、支払いの情報が取り込まれます。
(2)人事関連
人事関連については、従業員(Employees)に対して経常的な給与の支払いが発生します。
源泉徴収税や社会保険料の複雑な計算と、仕訳(Journal Entry)の処理が必要となってきます。
これにも、HRシステムと会計システムが連携され、HRの情報が会計システムに瞬時にして読み込まれることになります。
(3)物流関連
物流(Logistics)とも、会計システムは連動しています。
商品(Merchandise)が倉庫に入庫・出庫したという物流情報が、会計上の仕入(Purchase)や売上(Sales)のデータと連動します。
その結果、タイムリーな原価計算や、在庫の管理が可能となります。
4.会計システムの基本構成
会社で採用されている会計システムには、さまざまな種類があり、業種によって特殊なシステムが導入されている場合があります。
ですが、販売(Sales)会社の場合、次のような構成が基本となります。
会計システムのモジュール
- ARモジュール
- APモジュール
- GLモジュール
3つのモジュールに従って入力します。
伝票(Voucher)の仕組みと同じで、入金伝票、出金伝票、振替伝票のように分かれています。
(1)ARモジュール
会社のメイン業務である売上(Sales)の入力は、ARモジュールで行われます。
売上(Sales)計上と売掛金(Accounts Receivable:AR)は、同時に入力されます。
得意先(Customer)から支払われた場合の売掛金(Accounts Receivable:AR)の消込みについても、このモジュールで処理されます。
(2)APモジュール
どの会社でも必ず発生する費用(Expense)の支払い関連は、APモジュールで行います。
後で支払うべき費用(Expense)の未払計上(Accrual)や、買掛金(Accounts Payable:AP)や業者(Vendor)への支払いも、このモジュールで処理します。
(3)GLモジュール
ARモジュールとAPモジュールに含まれない仕訳(Journal Entry)の処理は、GLモジュールで行います。
勘定科目の組替え(Re-classification)や減価償却費(Depreciation)の計上などの決算整理仕訳は、このモジュールで入力されます。
以上、「【英文会計実務講座】<第6回>コンピュータシステムを使った会計処理を学びましょう」でした。
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